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by ek-japani
एक जापानी
ایک جاپانی
ロシア発のフィルミーソング歌手!?
もはや書くネタもなく惰性ですが、またもや最近ウェブで見たニュース について。
" Web makes Tajik migrant a star " (BBC News)
  In a demonstration of the viral power of the internet, a migrant worker from Tajikistan has become an unlikely singing sensation in Russia.
※あと、これのネタ元っぽいAFP通信の記事、こちらのほうが詳細。
" 'Tajik Jimmy' sings his way to fame in Russia "


話題の中心人物は、ロシア在住のタジキスタン人(民族的にはウズベク人;ソースによっては誤って?ウズベキスタン出身のタジク人と逆になっている場合もあり)出稼ぎ労働者のバイムラト・アッラベリエフ Баймурат Аллабериев さん(37歳)。
日本のどこかの街角でケバブを売っていそうな、いかにも中央アジアらしい顔つきの普通なオジサンですが、じつは70's~80's の懐かしヒンディー語映画ソングを歌わせるとすごいんです。






今はモスクワ近郊の地方都市でスーパーの商品上げ下ろしの作業にいそしむ毎日ですが、以前働いていた建築作業の現場で休憩時間の暇つぶしにヒンディー語フィルミーソングのモノマネをやったら大ウケし、それを携帯電話で撮影した同僚がユーチューブに昨年アップロードしたことから徐々にウェブ上での注目を集めるようになったとのこと。

今年になってからはジャーナリストが取材に訪れ、ついにはその紹介でサンクトペテルブルグで4月に行われたAsian Dub Foudation のコンサートの前座として、お得意のバケツを使ったパーカッションの伴奏付きでナマ歌も披露したようです(下の動画)。



この出演をきっかけにロシアのメディアでも取り上げられ一気に知名度が上がったようですが、このエンタメ的な話題性と同時に、中央アジア出身の出稼ぎ移民に対する風当たりが強く、それらの人々をターゲットにした路上での集団暴行などヘイトクライムも多発しているロシアの現状が背景にあってこそ、同じ境遇にあるバイムラト氏の活躍が注目を集めたという側面もあるようです。
実際にバイムラト氏も、ジャーナリストが取材に来る前日に帰宅途中の電車内で知らない若者たちから殴られたせいで前歯2本が折れてしまったとか。社会の周縁に置かれた出稼ぎ移民とそれを取り巻く排斥運動の暴力など様々な苦境、この点でこのニュースは、最近よくありがちなネット発スターダムの単なる一例に終わらず、いろいろと興味深かったです。



・・・で、肝心の歌声はというと、そんじょそこらの自己満足でなりきり悦に入ってるだけのインド人素人投稿者よりも断然に上手いです。小さいときから見ていたヒンディー語映画の歌詞や台詞から耳で拾った多くのフレーズを、時に意味も正確にはわからないが何となく知ってて話せ/歌えちゃうという中央アジア諸国出身者には今までけっこーお目にかかったことありますが、一曲通してこれほど流暢にヒンディー語の歌詞を歌いこなせるというのも珍しいです。しかも裏声を駆使して女性パートまでも自分でこなす上に、その声の切り替えが瞬時にできちゃうってのがもはや達人の境地に入ってますな。



おそらく逆輸入?されてインドのメディアに進出するのも時間の問題でしょうか、常にネタ探し中のテレビ業界ならすぐ食らいつきそうな話題ですし。とくに、このような感じでヒンディー語映画の国外への広がり、しかも南アジア系移民以外の人々の間での人気ぶりを提示されることによって、インド人としての自尊心をくすぐられる人も少なからずいるのでは。ぜひとも「インディアンアイドル」とかにゲスト出演して欲しいですな。
by ek-japani | 2009-10-10 22:15 | ニュースより


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