イランでヒンディー語映画
最近は家に篭りっきりなことが多いので、またBBCからのネタで・・・。

 2005年12月24日:ईरान में हिंदी सिनेमा का जुनून (イランでヒンディー語映画に熱狂)

内容はようするに、大都市から地方の小さな町まであちこちでヒンディー語映画の俳優の写真を見かけたり、国内を移動する時の長距離バスの車内ではヒンディー語映画が上映されたり、出会うイラン人には映画の話を持ち掛けられたり、ヒンディー語の歌を聞かされたり、イランでもヒンディー語映画が人気なことに感動したという話。


実際に自分が旅行した時も、この記事の記者ほどあちこちで遭遇したわけではないが、街中で売ってる雑誌の表紙にシャールク・カーン शाहरुख़ ख़ान が載っててビックリした覚えがある。ちなみにその時に初めてアラビア文字表記で“شاہ رخ خان”てのを見たのだが、字面的にはイランイランした名前(現代のイラン人の男の子にはあまりなさそうな感じするが)だなぁと思った。

c0072728_8505299.jpg長距離バスの中でも“ラージャー ヒンドゥスター二ー राजा हिंदुस्तानी ”が上映されてた。ぼけ~っとバス最前列にあるTVで何か始まったな~と見ていたら、突然“راجا هندوستانی”とタイトルが見えて、え?見間違い?と思ってるうちにアーミル・カーン आमिर ख़ान が出てて来て、えー!と思わず座ってた後ろの方から最前列の席まで移動して食い入るように見てしまった。しかも(記事にも書いてあるように)吹き替えてあるので、ペルシア語を喋るアーミル・カーンやカリシュマー・カプール करिश्मा कपूर 、ジョニー・リーヴァル जॉनी लीवर とかを見るのはかなり変な感じだった。

ちなみに買ってきたVCDで全編よ~く見たらミュージカル・シーンが容赦なくカットされてた・・・。(かろうじて「パ~ルデーシー パ~ルデーシー ジャーナ~ ナヒ~ン」の歌だけは一部カットされつつ残ってたが・・・。)

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製造販売(とは書いてないけど、おそらく):موسسه رسانه های تصویری
(「映像メディア協会」みたいに偉そうな名前付けてるが、どうせ海賊版なんでしょ・・・。)
کارگردان (監督):دارمش دارشان (धर्मेश दर्शन)
بازیگران (俳優): امیر خان، کاریزما کاپور
           سورش ابروئی (सुरेश ओबेरॉय :ちなみにヴィヴェーク・オベロイの父)

監督&俳優の名前の綴りを見ると、借用語彙に見られる一般的なぺ→ウ&ヒの音韻変換法則を微妙に無視して、母音の短長がグチャグチャになってるのが気になる・・・。(おそらくアルファベット表記をもとにしたのか。)
そもそも「カリシュマー」なんて元はペルシア語起源のはずなのに、こんなんでいいのだろうか・・・

あとVCDケース裏面にはあらすじが・・・。
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といわけで・・・
政府の外交方針&文化政策など諸条件によりイランも映画の国産自給率が高そうだし、各国映画祭なんかで何人もイラン人の有名な監督が受賞してるし、まさかイランでヒンディー語映画をお目にかかるとは!と、けっこ~意外に思った。(よく考えると、地理的にはそんな離れてないんけどね。)
言葉(特に映画の会話や歌詞でよく使わる単語とか)のこともそうだけど、現在のパーキスターン北西辺境州あたり出身、もしくはルーツがある俳優(ディリープ・クマール दिलीप कुमार なんかペシャーワル出身のパシュトゥーン پښتنو だし、前述のカリーシュマー・カプールの家系とか曽祖父プリトヴィーラージ・カプール पृथ्वीराज कपूर の代にペシャーワルから移って来たらしいし、シャールク・カーンも父親はパシュトゥーンの家系だし。)もちらほらいるし、そういう面で見てもハイバル峠の壁は意外と低いのか?


あとこの記事で海賊盤横行(というかそれ以外流通ルート無し)の問題も触れられてるいるが、やはりそうか~という感じだった。(パーキスターン経由で来てるのかと思ってたけど、意外とドバイ دبي の湾岸方面からだったのね・・・。)

たしかにこの記者が提案してるように、市場として本腰入れて商売するためには著作権に関する二国間協定とかが違法コピー対策としてまず必要だろう。う~ん、でもそれも何かつまらないような・・・。
インドのソフト・パワーとしてのインド映画が世界各地に浸透する力の源は、著作権ガチガチで稼ぎを世界各地から吸い上げる市場主義の主流からは少し逸脱した方法で、著作権概念のゆる~い地域でコピー製品があまり徹底して取締られずに氾濫していく流通ルートのおかげでもあるのじゃ無いだろうか?(もちろん、家族や結婚が主題のストーリー、肌の露出の少ない描写、歌や踊りの入るスタイルなど映画の内容自体にある魅力が受け入れられてる第一の理由なんだろうけど。)
・・・な~んて事を、都内某所のハラール食品店にてヒンディー語映画をせっせとビデオにダビング×デッキ5段重ねを目撃しながら思うのだが・・・。ヒンディー語映画の地位向上のためにはどっちがいいのだろう・・・。

※1月6日追記:ためしにペルシア語風の綴りで「بالیوود」(ボリウッド)をGoogle検索したら、イランのヒンディー映画マニアさん方のブログがたくさん引っかかりました。大漁です。
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by ek-japani | 2005-12-28 09:19 | ニュースより


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