デリーは燃えているか?
c0072728_1430423.jpgここ10日間ほどインド各地の大都市で、政府に対する学生らの抗議行動による騒動が頻発して起きているそうですな・・・。 


←抗議デモの最中に警察からの放水を受けるデリーの学生たち
 燃えている、よりもむしろ水攻め・・・。

 (※写真:BBC より)

c0072728_14364550.jpg事の発端はというと、連邦政府の人的資源開発大臣アルジュン・スィン अर्जुन सिंग (写真右→)が今月12日に公表した新たな留保措置(Reservation, आरक्षण)に関する提案である。

連邦政府管轄の20の国立大学、7つのIIT(工学)、6つのIIM(経営学)やデリーのAIIMS(医学)などの国内トップの国立高等教育機関における入学者および教員採用の各定員枠のうち、既に現行の制度ではSC &ST の学生&教員を対象に原則22.5%確保する事になっている留保枠をさらに推し進め、新たにOBCs の学生&教員を対象とする同様の留保枠を別途27%(つまり合計で全体のほぼ半分)設定しよう、という提案である。


この提案に対して留保枠拡大に反対する立場の人々からは、あくまで政治家による「選挙のための票稼ぎ」の手段に堕しており、憲法が掲げる「公正」や「平等」の理念とは程遠く、決して「格差是正」の目標達成を真剣に意図してるとは思えない安易な方策である、との批判が高まっている。

89~90年にもマンダル मंडल 委員会の勧告(これ自体は80年に既に提出されていた)に基づいたOBCsへの留保措置導入を巡って大規模な抗議運動が起きた。その時は一部の反対派の学生が焼身自殺まで図る事態にまで至ったが、今回現時点ではそのような焼身行為など過激な抗議行動による死者は出ていない。


とはいえ、家でSahara 系列のニュース映像を見る限り、「デリーは燃えていない」とは決して言い切れそうにない雰囲気であり、デリーとムンバイーの様子を中心に、医学生たちの抗議デモやストライキ関連のニュースが連日のように報じられている。
特に学生らの抗議運動の中心となっているデリーのAIIMSの学生たちは、学内に設置した屋外テントに昼夜座り込み、酷暑の中ハンガーストライキを実施している。既に10日以上が経過しているため、時折救急車で病院に運ばれようとしている姿も映し出されている。
また、昨日見たニュースでは、IIT デリーの学生代表らがA.P.J.アブドゥル・カラーム अब्दुल कलाम 大統領と面会して留保措置拡大の見直しを嘆願すると同時に、もし留保措置拡大が実施される事になった場合に自分たちが自殺する許可までも求めたようだ。

さらに学生のみならず、コルカタやラクナウー、ボーパールなどの都市では現職の医者も抗議ストライキを実施し、公立病院の医療サービスに大きな支障が出てきているそうな。
全面的なストライキになっていない所でも、常勤の医者の休日を全部取り消して医学生達の不在をカバーしようとしているが、それでもサービスの水準低下や業務の一部休止など医療現場の混乱は避けられないでいるようだ。


政府のほうでも、当初「社会における全ての集団の意見を尊重する」みたいな声明でお茶を濁しつつ、その一方ムンバイーの学生によるデモ行進や座り込みに対して、デモの届出がされていないとの理由で警察隊がラーティーチャージ लाठी चार्ज (警棒での容赦無いぶっ叩き攻勢)による強行的な取り締まりを行ったり、昨日もデリーのサフダルジャング सफ़दरजंग 病院で行われる予定だった医師採用面接を急遽一方的に延期するなどして、あくまで妥協しない姿勢を見せている。

しかも挙句の果てには、アルジュン・スィンの提案が正式に法案として国会で審議される事が昨日の時点で決定され、早ければ来年6月の入学者選抜から実施される見通しも出てきた。


・・・果たして今後どう展開していくのか???という感じの情勢なので、半年前に衛星テレビを家に導入して以来、今が最もテレビのニュースから眼を離せない気分です。毎晩独りテレビを前に個人的に興味津々盛り上がっとります。


※この出来事について書きたい事はもう少しあるのだけど、長くなりそうなのでとりあえず次回へ(ホントに?)・・・。
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by ek-japani | 2006-05-25 14:41 | ニュースより


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