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सत्याग्रही भूख हड़ताल की हिंसकता?
最近読んだこんな本に、こんな一節がありました。やや長いけど以下がっつり抜粋。
.... Politics inspired by dharma has always had a place for the righteous use of force. All wars in modern history have carried with them some justification in the name of the good, the right, or the just. The recourse to armed resistance against an oppressive regime is still widely regarded as a legitimate political method. The national movement in India saw much spirited debate on this question and the Bhagavad Gītā was widely cited as a canonical text justifying the righteous use of force against injustice. Even the Gandhian movement which expressly abjured the use of violence had a place for the exercise of force. The intention behind the non-violent satyagrahi breaking the unjust laws of the state was to bring the violence of the state on his or her body; indeed the intention was to invite the agents of the state to use force against the satyagrahi. When the state refused to employ force, the last weapon of the satyagrahi was the fast unto death, which was a way of doing violence to one's own body and holding the state responsible for it. The relation between violence and the politics of dharma is, I think, deep and inseparable.
  [Chapter 4 'The Rule of Subjects', p.71-72 イタリック原文]

前近代から植民地期および独立後の近現代にかけてのインド在地の政治諸概念の推移、とりわけ「ダルマ」と「ニーティ」をめぐる大枠の議論の流れとはやや外れた試論的な部分(著者自身も上記引用部の直前に「deserves more extended treatment than is possible in the space of this chapter」と断り書きを入れてる)にすぎないのですが、個人的には本書の中でとくに興味深く印象に残りました。とりわけ後半のくだり、最近アンナー・ハザーレーで再度注目の高まっているサッティヤーグラヒー的政治主張手段であるハンガーストライキについての部分が。

もちろん、非暴力主義に依拠した政治運動において自らの肉体を対象にした暴力がその正当な手段としてときに用いられる、という見解は異論も多いかもしれませんが、これが妥当かどうかは別の話として、まぁともかくこういう見方も成り立つのだなという程度までに。

ちなみにインドの出版社からでてる版のほうが表紙がかっこよかったりする・・・。
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by ek-japani | 2011-11-26 14:34 | 書籍
世界の車窓から DVDブック NO.27
先日立ち寄った書店でこんなのを(なかば衝動的に)買ってみました。
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この番組わりと好きなのでインド編の再編集映像DVDにひかれて手に取りました。でも、この手のシリーズ雑誌って途中から買うのは少し躊躇する部分もありますよね、まぁこれの場合は全巻コンプリートしなきゃ意味のない品でもないので。

主要な到着地を紹介する際に、カタカナに加えてデーヴァナーガリーでも併記されて地名が画面に登場するのに少しビックリ。あとナレーションの音声無しにもできるので、60分間なんとなく鉄道風景をながめることもOK。



で、自分テツではないんですが、それでもインドでの列車の移動っていろいろと思い出が刻まれる体験ですよね。

2nd Sleeper の車内で微妙に寒くて震える夜を過ごしたり、そして夜明け後のぬるみ始めた空気のなか窓の外の朝日を眺めながらチャーヱとクッキーで朝食とったり。

濃霧のせいで到着が遅れている列車を深夜の薄暗いプラットホームで何時間もじっとショールにくるまって待ったり、やっと着いた列車にいざ乗り込んでみたら自分の寝台に肥えたオッサンがいびきこいて眠ってたり。

日没前に着く予定が何だか遅れて夜10時過ぎになって宿探しに難航したり、しかもそんな時に限って列車の中でたいした物売りが回ってこずに夕方から空腹のまま晩ご飯を食いっぱぐれたり。

ホームや車内にそこはかとなく漂うディーゼル排気の臭いやら、無駄に繰り返す割には聞き取りにくいホームの到着アナウンスの機械的な甲高い声やら、列車に乗り込むときの容赦ない押し合いへし合いやら、ようやく席にたどり着き荷物も降ろしてホッとしたのと同時に列車が出発した瞬間のわくわくする感じやら。


・・・まぁそんなこんなでしばし追憶にひたれてわりと満足です。
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by ek-japani | 2008-12-27 09:02 | 書籍
Bollywood Meolodies
昨日は数年ぶりにブックフェアに行ってみました。
あいかわらずゆる~い感じの雰囲気なスター・パブリケーションズ・インディアのブースでしたが、置いてある本も前回見たときよりか心なし少ない感じでした。やっぱり一般展示販売してもあんまり売れないから、事前予約以外の本はあんまり持って来なくなったんでしょうかね。せっかく初日の午前中から来たのにめぼしい本も特に無かったのですが、とりあえずこんな本買ってみました。

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まず冒頭で映画音楽史概説、1930年代から10年スパンごとの全体的な流行や、その時代の代表的な映画ソングなどをざっと紹介しております。その後は映画ソング制作の担い手である①作曲家、②作詞家、③プレイバック歌手を、それぞれ順番に各時代ごとの代表的な巨匠を一人づつ紹介していく感じです。だいたい一人につき平均1ページ程度なので、ざっと知りたい人物の部分だけぱらぱら眺めるのに丁度よさそうです。合間にグルザールやラター・マンゲーシュカルのインタビュー、その他業界有名人の寄稿文なども挿入されています。

網羅的に書いてあるけど、大部分が各アーティストの特徴や有名な歌のタイトルや歌詞の一節、使われた映画作品名などの紹介に終始していて、映画ソングの変容やその背景要因などに対する分析とかはほとんど無さそうです。
あと、まぁクラシックな部類に入る年代のことについては割と詳しく書いてありそうなんですが、今年出たにしては2000年代以降の最近の潮流について全然言及されてないのも今ひとつな感じですが。


縦読みしかしてないのに感想言うのもアレですが、べつに買わんでも良かったかも・・・。まぁ本棚に資料として置いといて、たまにパラッと捲るくらいが丁度よさそうな本ですな。
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by ek-japani | 2008-07-13 11:04 | 書籍
雑誌『Coyote』
c0072728_1555389.jpgこんな雑誌が出ていたようです・・・。


Coyote

No.19 特集:インド
「ジプシーの旅立ち タール砂漠を彷徨う」



知り合いの方が寄稿なさっているという事で買ってみたのですが、わりと面白い内容ですね。ラージャスターンというと、ジャイプルやウダイプルあたりで藩王家の豪邸拝見なんかありがちな感じですが、今回はジャイサルメールの周辺の旅芸人を取材しているあたり少しがんばっている感じします。

個人的には「ジプシーの衣食住を覗いてみよう」という記事なんかわりとおもしろかったです。トウジンビエ(唐人稗:レシピによると当地では「バジュリー बजरी」)のローティーの作り方などが載ってて、ラージャスターンな雰囲気が出てる感じします。あのボソボソしたローティーの原料は稗だったんですね。

あと、いろいろなインドの写真にリリー・フランキー氏が一文づつ寄せている「幸福な路地」という企画がなんか良かったです。

とくに、これ
かつて華やかかりしもの。
そして、それを並んで眺める、
さほど興味のないもの。
あと、これ
見るべき所のない場所に、
やわらかな灯りがある。
写真が無いと別に大して意味わからない感じですが、これが添えられてる写真をみながらだとなんだか良い感じに見えました。まぁ、もしお手に取る機会があったらちょっと見てみてください。
インド写真が特集記事中にたくさん載っている中、このコーナーの写真が個人的に気に入るもの一番多かったです。



あとあと、内容とは全然関係ないのですが・・・、この特集記事での固有名詞のカタカナ表記にも嬉しい方向でかな~り驚きました。
 「チャーイ」
 「ラージャスターン」
 「ジョードプル」
 「マーンガニヤール」
 「ジョーギー」
 「ローティー」
 「マールワール」
 「メヘラーンガル」
 「ラージプート」
 「ラートール」
・・・という感じです。

「だからどうした」と言えばその通りなんですが、こういう一般誌でこんな贅沢に「ー」を(しかも的確な位置に)使ってくれてるのを見ると少し感動を呼びます。
取材原稿や編集などの段階で、①英語綴りから予測した(「日本人風の」英語)表記や、②だいたいの耳聞きによる表記、③新聞的に手当たり次第「ー」を省略した表記、という手順を経たら絶対上のようなカタカナ表記にはならないはずなので、とにかくビックリです。しかも知り合いが寄稿した部分でなく、雑誌の編集長さんや特集記事を執筆した作家さんの文章中に発見したのでなおビックリ。
特に日本で既に用例が圧倒的に多い「チャイ」じゃないあたり、なんかもう逆に奇妙な「誤植?」とまで感じてしまいました。
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by ek-japani | 2007-06-28 02:04 | 書籍
The Reluctant Fundamentalist
c0072728_3521480.jpg最近こんな本読んでみた・・・。


The Reluctant Fundamentalist
 著者:Mohsin Hamid
 出版:Harcourt, Inc.


主人公チャンゲーズ(Changez چنگیز)が自分の過去をある(謎の)アメリカ人旅行者風の男に語って聞かせるという手法を取っていて、そのためストーリーは現在のラーホール旧市街のレストランの軒先のシーンと、チャンゲーズがアメリカなどで過ごした日々の回想シーンとを頻繁に行き交いながら展開する感じです。特にこの点では著者モフスィン・ハーミド محسن حامد の愛着がこもったラーホールの描写が随所に出てくるので、ラーホール好きな人にとっては少し楽しい部分では。

読後の感想としては、外交政策やメディア報道などでよく語られるような「反/親~」という単純化された二分法では捕らえきれない、ある個人の内面における「アメリカ」という国への両義的な感覚が詳細に描き出されていて、小説という表現手段の利点が最大限に活きているという印象持ちました。

・・・あんまり書いていくと自分の説明があまりに安っぽい言葉に陥っていく気がしたので早々にやめますが、とんと久しぶりに小説なるものを読んだら、いつも読む(むしろ今のところ読まざるをえない)文章との表現形式の違いにいろいろ考えることも多かったです。


ちなみにミーラー・ナーイル監督がお気に入りの本に挙げていて、しかも映画化するかもしれないとかのまであるらしいですな。どうなんでしょうね、ちょっと期待。
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by ek-japani | 2007-06-07 00:14 | 書籍
『誰も知らなかったインド人の秘密』
実はこんな本を読んでみたのですが・・・。

c0072728_20174716.jpg『誰も知らなかったインド人の秘密』
 著:パヴァン・K・ヴァルマー
 訳:村田美子
 出版:東洋経済新報社/2006年9月

■目次
 序章 インド人とは何者なのか
第1章 政治:権力好きの国民がつくり上げた民主主義
第2章 富:どんな環境下でも金儲けをあきらめない
第3章 IT:才能と努力そして欲望の賜物
第4章 汎インド人:共通点は生き抜く知恵
 終章 繁栄と安定をめざした離陸

先日書店で見かけた折、某所で紹介されてたのを思い出したので買ってみた。
インドの国民性を論じた、いわゆる「インド人論」な一冊。

やもすると「ふ~ん」と納得してしまいそうな感じの論調なんだけど、自分が捻くれモノな性質のせいか、反論とまではいかなくとも「うぅ~ん、そうでしょうかね~?」と疑問を呈したくなる感じでもある。
例えばこんな部分。
「(前略)・・・イギリスはインド人エリート層をうまくイギリス人化しました。しかし、わずかですが、インド人としてのアイデンティティーを失わずに西欧化したインド人エリートもいます。」 [173p.]
(原文「(前略)・・・[T]he British succeeded quite spectacularly in creating an Indian elite patterned after them. A few members of this elite were able to sustain their Westrenization without diminishing themselves as Indians.」)
むしろ「西欧化」したからこそ、かえって「インド人」という枠組みでのアインデンティティーが強まったのではないだろうかと思っているのだが、どうなんでしょう。

この本全体的に感じる事だが、「インド人」という概念を所与のものとして読み進める事に違和感がつきまとう。そういう試みを「敢えて」している本なのだから、当然といえば当然なのかもしれないが・・・。


あと、個人的に物足りないと思うのは、筆者が「数年間リサーチを行った」と書いてあるのに関わらず、ほとんど文献調査に終始している点とか。(実際に現地を訪れずに記されたにも関わらず多大な影響を残した『菊と刀』みたいな国民論の例もあるので、何とも言えませんが・・・。)

現代の文献ではディーパンカル・グプター दीपंकर गुप्ता やアーシーシュ・ナンディー आशीष नंदी、スディール・カカル सुधीर ककर などの著名な社会科学系知識人の著作、各地の何気ない新聞記事、著名な企業家の言行録など、はたまた過去に遡っては、ヴェーダの讃歌やマハーバーラタなど古典文献、植民地期の官僚や独立運動家の手記や回想録などなど、様々な文献からの引用や、言及される多方面のトピックなどは役に立ちそうなものも多かった。
ただ、むしろそれが豊富過ぎるというか、都合のいい部分だけをあちこち切り貼りして都合の良い解釈とともに次々と提示されているようで、なんか煙に巻かれているような印象も受けた。

まぁ、序章の最後で著者自ら「学術的な」目的の本ではないと断りを入れている([32p.])ように、書かれている内容自体の論理的根拠や解釈を巡って深入りしてもしょうがないかもしれない。

それよりか、無数に存在する「インド人論」のうちの有名な一冊として今後あちこちで参照されていく中で、国内外において形成されつつある「新たな時代のインドおよびインド人」言説の一部としてどんな役割を果たすのか、またどこまで影響力を持つようになるのか、という点が個人的に興味あり。つまり、このテクストがどう社会で読まれ、解釈され、消費されていくのかが今後気になるところ。

オマケ (※無駄に長いですが・・・)
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by ek-japani | 2006-11-30 20:59 | 書籍
国際ブックフェア2006
昨年に引き続き、いろいろと本を買い漁ろうと≪国際ブックフェア2006≫に行ってみた・・・。


今年もSTAR PUBLICATIONS (PVT) LTD.がインドから出展していたので、何冊か購入してみた。

今回一番面白そうだった本は、噂に聞いていた旅行ガイドブック『India Ghumo घूमो 』(Rs125)。
ホントに全部ヒンディー語で書かれているってのが驚き。でも、巻末に掲載されてる読者からのフィードバック用の出版社連絡先で、メールアドレスはHotmail&Yahooってとこが何か安っぽい・・・。しかもURLが書いてあるウェブサイト (www.indiaghumo.com)には全く繋がらないし・・・。
まぁ・・・、この微妙な雰囲気がまたよろしいかと。

インドのブースでは例のごとくダラダラと立ち読みしたりで小1時間くらい居座ったが、その間にもいろんなお客さんが訪れてきた。
個人的な印象としては、インド人の家族連れが多かったような気がする。これはやはり、日本に赴任する際に、配偶者や子供も連れてきて一緒に暮らすインド人ビジネスマンが一層増えてきているからなのだろうか。何回か家族連れのインド人客が子供用の本や料理本なんかを求めてブースにやって来てた。(もともとインド人子弟向けの児童書っぽいのも毎回置いてあったので、わりと買ってく客も以前から多かったのかもしれないが、実際に買っていくところを自分が目撃したのは初めて。)


他にも洋書バーゲンコーナーでTeach Yourself シリーズがいろいろと激安で売られていたので、以下3冊衝動買い。
 『Panjabi(カセット2巻つき)』(¥600)
 『Urdu』
 『Modern Persian』(各¥300)
さしあたり必要な本でも無かったのだが、かなりお得な買い物をしたので満足。


ただ、今回少し不満だったのが、海外から出展するブースの規模が全体的に昨年よりも少し縮小したような気もする点だ。
直前にキャンセルになったのか、もう一つインドから出展予定だった児童書専門の出版社のブースや、昨年みたく大使館と協力で出展するかと思ってたパーキスターンのブースなどは、空白のまま丸ごと休憩スペースになってしまっていた。
さらに、期待していたイランの出版社2社のブースに行くと、何やら入国ヴィザが下りなかった関係で中止との緊急告示が。(イランからもう一つ来てた児童書専門の出版社のほうはOKだったようで、そちらのブースはちゃんと出ていた。)

いやはや残念な事も多かったが、その分だけ毎年確実に来てインドのブースで商売に励むアニル・ヴァルマー अनिल वर्मा 氏に頭が下がる思いですな。
(ちなみに、今回彼が値段計算中に叩いてた電卓、何故か購入時のままビニール包装から出さずに使ってるのが気になった・・・。使いづらそうな気もするのだが、そんなに電卓本体を汚したくなかったのだろうか?)
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by ek-japani | 2006-07-10 00:56 | 書籍
『常務 島耕作』 インド編
先週こちらの某ブログさんのほうで知ったのだけど、最近あの島耕作がインドに行ってるらしい。


ようやく『常務 島耕作』が現在連載されてるモーニング(連休合併号のやつ)を見てみたら、映画女優としてこんな容貌の人物が描かれていた・・・。
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(現地の人々の雰囲気を理解するため、みたいな目的で島耕作らが映画を観に行くシーンが描かれてるのだが、その時スクリーンに映った主演女優のコマ:誌面40pより。)


これって・・・、もとになってるのはアイシュワリヤー・ラーイ ऐश्वर्या राय なんだろうか???
パッと目にした瞬間、あまり似てるとは思わないが、やはりアイシュワリヤーかな?と思った。
(右側に「最近ではモデルやミスコン出身のスレンダーな美女が多くなった」とも書いてあるので。あと、国外でも有名だから「インドの女優」として誰かしらの顔を描くときに参照しやすかっただろうし。)

それとも、また別の女優がモデル、もしくは複数の顔を合成した架空の女優なのかな?


・・・どう思われますかな???
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by ek-japani | 2006-05-11 13:41 | 書籍
雑誌『NEUTRAL』 第7号
こんなインド特集の雑誌を買ってみました。

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NUETRAL - Travel for life
            n°7 May 2006

特集:インド永久保存―美しきインドのこころ
 


こういう雑誌の特集では、個別の記事で書かれてる内容はもちろんだけど、それと同じくらい取り上げられてるトピックの方向性や並び具合がなんか気になるところ。
最近のこういう雑誌特集の例に違わず、この雑誌でも今での「お決まり」のトピック(各地を遊行してまわるサードゥー साधु 、サールナートやボードガヤーなどの仏教遺跡、ヴァーラーナスィーのガート、ラージャスターンの豪華絢爛なマハーラージャーの宮殿など)だけでなく、アーユルヴェーダの美容エステ、バンガロールにあるIT企業インフォシスの近代的なオフィス(記事によれば日本人も20~30人ほど働いてるとのこと。思ってたよりもけっこー日本人の社員さんおるんですな。)なども紹介されていた。


なかでも、若手冒険家の石川直樹氏がマッディヤ・プラデーシュにある世界遺産、ビームべートカー भीमबेटका を紹介してる記事が新鮮な感じで興味深かった。その最後のほうで「人と動物が交換可能な野性が確かに存在しており、同じ大地に生きる動物たちは今よりもはるかに神聖な存在だったのだ。」([77]p.)という一文。人間の「心」の創生期と表裏一体の「芸術」の起源、またその起源の時代の作品である洞窟壁画を通して、人間の中に眠る「野性」について思いを巡らすという点がとても印象に残った。

ほかにも、「写真家が見たインド」というテーマで、それぞれが過去インドで撮影した写真を掲載している記事がある。中でもとりわけ『ロックンローラー“ミトゥー”』(撮影:富井昌弘氏、[86]p.)に何か衝撃を受けた・・・。具体的には、黄色のガンズ&ローゼスTシャツを着た長髪&サングラスのお兄さんがギター弾きながらシャウト!・・・のマネをしてる、という場面を収めた一枚なのだが、こういう濃~いキャラのインド人ってわりとあちこちで見かけそうで意外となかなか遭遇しないかもなー・・・と思った。

あと、(自分は今で知らなかったが)日本で以前ドラマなどに出演してたシューベルト綾という女優さんによる記事で、もう9年ほど家族と共に旅行で各地を回っており、とくにヴァーラーナスィーで1年以上河岸に付けたボートを借りて生活してた時のことなどについて書いてあった。旅の中で出産&子育て、小さな子供を連れて旅をさらに続行、というのは何か漠然と圧倒されてしまった。
ただ、旅のロマンに水を差すような俗っぽい疑問だが、この人たちってどうやって旅の資金をやりくりしてるの?という疑問が拭い去りえない。う~ん、かなり謎だ。そっちのほうが気になってしまい、いまひとつ話には共感できなかった。

綴じ込み別冊で付いてくる『ANOTHER NEUTRAL - India Edition [インド編]』の方は、旅行に持ってくのに丁度良いサイズで、内容もさっと開いて確認しやすいように見開きごとにコンパクトにまとめられた記事が載っている。
「インドのカルチャー案内」の記事で紹介されてる観光穴場スポットのなかでは、②“デリーのアンバワタ・コンプレックス”の高級ブティックでのショッピングや、⑥ハイダラーバード近郊の“ラモジ・フィルムシティ”での映画撮影所見学、などが何か目新しい感じだ。


昨年2月に出て話題になった『Casa Brutus』のインド特集の前後するあたりから顕著だが、ここ最近いろんな雑誌で「新たなインド」に注目した特集が組まれてるのを目にする。今回の雑誌もその一連の流れのなかに含まれるだろう。
こういう傾向を漠然と見ていると、依然として「インド」は多くの読者の興味を引く「売れるコンテンツ」なのを感じる、以前とまた切り口が少しづつ違ってきてはいるのだろうけど。



※最後に、(なんかケチつけるようで、これから書こうとしながら自分でもアレな気はするが)個人的に「おや?」と思う箇所がいくつか散見したので、メモとして残して置く。
まぁ、ここの文章を見てから書店に駆け込む人がおったら、雑誌は普通の書籍のように増刷の際に訂正とかできないので、この雑誌記事を読む時の参考にでもしてくだされ~(あ、あんま役にはたたんだろうけど・・・)。

○ 26p :ページ上半分の図表中の「シク教」の欄、「インド人で頭にターバンを巻いているのは、実はシク教徒だけである。」という部分。
 (「インド人=ターバン」なステレオタイプ的誤解を払拭する事を念頭に置いた説明とはいえ、そう言い切ってしまうのはどうかと思うが・・・。しかも「実は」なんて思わせぶりに・・・。一部の宗派や世俗的な人を除き「シク教徒=ターバンを巻いている」という図式はほぼ成立するだろうが、かといって逆に「ターバン巻いている人=シク教徒」というわけでは必ずしもない。)

○ 同26p :ページ下半分の1~2列目、「たとえばタージマハールは、インドで最も有名な建築かもしれないが、これはインド最大の宗教・ヒンドゥー教ではなくイスラム教の寺院である。」という部分。
 (タージマハル ताज महल は「寺院」ではなく、ムガル朝の王妃の「墓廟」である。また「モスク」と混同してるにせよ、厳密には「寺院」は適切ではないと思われる。「モスク」は「礼拝を行う場所」ではあるが、その場所自体に崇拝の対象が存在しているわけではないので。)

○ 39p :左上の写真、およびそのキャプション中の「写真はイスラム教徒の家族。インドではムスリムでもサリーを着る人が多い。」という部分。
 (たしかにベンガル地方などのように、地域によってはムサルマーンの女性でもサリーを日常的に着てるケースが多々ありえるだろう。ただ、該当する写真に写ってる家族のうち誰一人としてサリーを着ていないので、少し意味不明な記述だ。)

○ 53p :ページ右下のヒンディー語新聞の切り抜き記事、およびにそれに関する右横キャプション「その事がヴァラナシ地元新聞に取り上げられた。」の部分。
 (「その事」とは、前述のシューベルト綾氏と共に旅してる母親が、ヴァーラーナスィーに滞在中に「ガンガーセヴァー गंगा सेवा」というプロジェクトを立ち上げ、付近の子供たちの手も借りて毎日ガートのゴミ回収を実施した事を指している。しかしながら、少なくとも雑誌に付載されてる切抜き記事中には、その清掃活動に言及した記述は見当たらなかった。)

○ 67p :3列目の「アーユルヴェーダ医学によると人間の体は「ピッタ」「ヴェーダ」「カパ」という3つの要素で構成されているという。」の一文。
 (3つの要素、トリドーシャ त्रिदोष として挙げられてるうち2番目は誤り。正しくは「ピッタ पित्त」「ヴァータ वात」「カパ कफ」)

・・・加えて、記事中や別冊付録の地図における地名の表記についてはアレコレ言い出すときりがないのは百も承知だが、どうしても一つだけ。
「ジャイプール」(ジャイプル जयपुर)、「ジョドプール」(ジョードプル जोधपुर)ときて、何で「ウダイプル」(उदयपुर) なの?何でこの街だけは「ウダイプール」にならない?いかんせん不明、誰かに傾向と対策を教えて欲しい気分に陥る。(まぁ「ウダイプール」と書かれても納得はしないが、少なくとも気分的にはスッキリする。)
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by ek-japani | 2006-04-28 08:25 | 書籍
国際ブックフェア2005
昨日はアラビア語マニアの友人と一緒に、《国際ブックフェア2005》の会場まで本を買いあさりに行ってきた・・・。

今年も一番目当てのインドのブースはSTAR PUBLICATIONS (PVT) LTD.が出展していた。狭いスペースに本が展示されている棚の前を長々と占領し、我ながら迷惑な客だなぁと思いながらも、しっかり隅から隅まで漁りまわった。
ぱっと見た感じでは一昨年の国際ブックフェアの時よりも、扱ってる書籍の数・内容ともに充実していた。インドマニアから一般的な読書愛好家までの幅広い層の一般来場者が本を物色しに来るのだろうが、様々な来場者の関心に対して毎年の需要を元に計算された緻密な品揃えで今回のイベントに臨んでいる印象を受けた。

出展元はオールド・デリーでHindi Book Center を経営してる程なので、ヒンディー&ウルドゥーなどの書籍もたくさん出版しているのだが、やはり日本人の読者向けに展示販売していた7割位は英語書籍だった。だけど自社出版物に限定せずPenguin Book India など他社出版の本もいろいろ置いてあって、なかなか本マニアの心と財布にアピールしている。特に最近のブームを見越してか、スピリチュアル&ヨーガ योग 関連の書籍がかな~り多数占めてた。もちろん全体のあと残り3割では、ヒンディー語やウルドゥー語、サンスクリット語をはじめ色々な言葉の辞書や児童書(英語&ヒンディー)とかも毎年のマニア需要のためにマニア書籍を用意してくれていた。

ちなみに今回購入したのは・・・
 ・『Parineeta परिणीता』 :最近封切られた映画の原作小説(ベンガル語)の英語訳
 ・『The Sufi Shrine of AJMER』 :有名な聖者廟について英語での概説本
 ・『ウルドゥー語‐ヒンディー語辞書』 :全部デーヴァナーガリー表記
 ・『英語‐クルド語&クルド語‐英語辞書』 :クルド語はアラビア・ペルシア文字表記

計4冊で占めて¥4800だった。

自分の予想ではRs.○○○を見て計算してたので、最初ちょっとエッ!と思った。
しかしよく考えると、日本で販売するためには渡航費・宿泊費・食費や書籍の搬送費など諸経費がけっこー掛かってるんだろうし、まぁ~妥当なのかなとも。
(あとで購入した本のいくつかイギリスとかでの販売価格も見たら、普通に日本と変わらん位みたいだし。)

たまにインドズレした人とかが陥りやすい何でも値引き交渉癖やボッタクラレ疑心暗鬼のまま、やたらディスカウントを粘る一部来場者の対策なんだろうか、ブースの隅には既に「40% ディスカウント」と書いた張り紙も。(でもたしかにディスカウント前の販売元値が謎ではあるんだけど・・・。)


・・・次に訪れたのが隣にあった大使館出展のパーキスターンのブース。書籍の数は全然隣に比べ少ないながらも、けっこ~棚には大きめサイズの写真集とかがたくさん。

しかし何やら会場にいたペシャーワル پشاور 出身パシュトゥーン人 پٹھان の某ハーン خان 大使館員さんはたいそ~ヒマそうに。
写真集を見てる最中に隣でやたら話しかけてきたり、突然映画の替え歌(?)で “ピャ~レ~ ピャ~レ~ ジャーパーニー... / प्यारे प्यारे जापानी... / ...پیارے پیارے جاپانی♪ (愛しの 愛しの 日本人~...)” と日本好きをアピールされたり、ちょっと水飲んでくるから場所を見ててくれと言い残し本当に数分間消えたり・・・。面白いと言えばそうなんだが・・・何かアレな感じも・・・。

しばらくしてこのブースでは販売無し(置いてある風景写真集などは展示のみ)というのが判明して、やはりというか何ともビックリ&残念。
(展示用に置いてあった中では、中国の水墨画家がパーキスターン国内の風景や人物をモチーフにした画集とかけっこ~売れそうなのに・・・。)


他にも会場にはネパールやバングラーデーシュ、シュリー・ランカーもブースがすぐ近くにあったけど、時間も予算も尽きてしまったので覗く事すらも断念。
(でもイランとエジプトの出展ブースでは1冊づつおもしろそうな本を入手。)
・・・まぁまた来年にでも。
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by ek-japani | 2005-07-10 06:21 | 書籍