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空港でビザ取得可能に?
数日前のニュースなので今さらかもしれませんが・・・、
インドで空港でのビザ取得可能に (日刊スポーツ)
 PTI通信によると、インド政府は18日、日本を含む5カ国からの観光客に対し、インドの空港到着時に査証(ビザ)を取得できるようにする手続きの簡素化措置を試験的に実施することを決定した。チダムバラム内相が発表した。
 来年1月から運用を開始したいとしているが、在インド日本大使館によると、インド側からの通知などはなく、実際の開始時期は不明。
 査証簡素化は、より多くの観光客招致が目的。対象国は日本以外に、シンガポール、ニュージーランド、ルクセンブルク、フィンランド。(共同) [2009年12月19日2時32分]
なんでこの5カ国が選ばれたのか?インド政府広報局ウェブサイトで掲載されている12月9日付け公式発表によると、以下のような選定基準らしいです。
Ministry of Tourism had taken up the issue of introduction of Visa on Arrival Scheme for tourists coming from those countries which are potential source markets for India from where there are no security concerns.  (太字強調筆者)

「治安上の懸念が無い」というのも少し曖昧ですが、この件についての報道と思われる『The Indian Express』の12月3日付けウェブ記事では、さらに少し踏み込んで次のように書かれております。
[T]he choice of the selected countries has been dictated by the fact that no national of any of these countries has ever been found to be involved in - even linked to - any terror-related incident anywhere in the world. The nod came after detailed consultations with intelligence agencies like Intelligence Bureau and the Research and Analysis Wing. (太字強調筆者)
これによると「国民の誰一人としてこれまでに世界中のどの地域でもテロ事件への関与した事実が全く認められていない」という基準らしいのですが、ダッカ事件とかは完全に過去の時代の話として冷静な外交的的判断で除外してくれてるのでしょうか。

なにはともあれ、あくまで一年間の試験的導入ながらも近いうちに実施予定とのことなので、そうなるとわざわ茗荷谷まで足を運ばなくてもすむんですね。大使館で交付手続きが行われていた頃に比べれば格段にスマートになったとはいえ、やはり申請と受領で2回も往復するのはけっこー面倒だったので助かりますな。まぁ、あれはインドに行く前に避けて通れない一種の儀式というか試練のようなものでもありましたが・・・。

ただし、しばらくは空港到着時のビザ取得手続きの際に混乱が起きたり、やたら時間がかかったりしそうな気もしますが。かつての大使館の窓口みたいに、理解不能なまでに不機嫌な係官が空港で待ち受けてるとしたらかなりイヤかも・・・。まぁ最近のインドで、さらに空港ではそんなこともまず無いとは思いますが。

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あと最後に、前述の政府広報局ウェブサイトにて、12月18日付けで観光ビザに関して次のような気になる公式発表を見かけました。
The Minister of Tourism Kumari Selja has said that Ministry of Home Affairs has introduced “Long Term Tourist Visa’ with multiple entries with validity of five years, for tourists from 18 countries since 2006. These countries are France, Germany, Luxembourg, Netherlands, Belgium, Finland, Spain, Switzerland, Norway, Iceland, New Zealand, Japan, South Korea, Argentina, Brazil, Chile, Mexico and Vietnam.

She was replying a written question in the Lok Sabha today.

日本含む18カ国の旅行者を対象に、5年間!も有効期間がある「長期観光ビザ」なんてもんが、すでに3年ほど前から導入されていたことが、議会での答弁で観光大臣の口から明らかにされたそうですが・・・、本当にそんなの発給されてたんですかね~。果たしてどんなケースを対象に発給されてるのか気になりますが、眉唾レベルの噂ですら耳にしたことなかったので、何だかにわかには信じがたい話です。
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by ek-japani | 2009-12-22 23:24 | ニュースより
Hindi Urdu Flagship
最近こんなの見つけました。
The Hindi Urdu Flagship is an undergraduate program at the University of Texas at Austin designed for students who wish to achieve advanced professional proficiency in Hindi and Urdu while majoring in a wide variety of programs, including Business, Communications, Engineering, and Liberal Arts.

この言語教育プログラムの設立趣旨としては、様々な分野(とくに国際援助活動の医療現場など)において実用的な言語運用能力を備えた人材の育成にあるようです。まぁ実際はボリウッド好きの学生が字幕無しで映画を見たいからとか、在米南アジア系移民2~3世の学生が自身の言語能力をブラッシュアップしたいからとか受講生の動機・目的は千差万別かと思われますが。


それはさておき、ウェブサイトの内容がけっこー豊富です。

ルパート・スネル教授(英語で現在出版されているものの中ではおそらく最も広く用いられているヒンディー語教本『Teach yourself Hindi』の著者)が古巣のロンドン大学から移籍してきて教鞭を執っているだけあって、彼が著作権を持っている絶版書籍『Hindi and Urdu Since 1800: A Common Reader』(1990年、共著Christopher Shackle)がまるまる一冊分PDFファイルの形で公開されているほか、多数のヒンディー語教材・教本がオープンリソースとして提供されてます。

また、ポッドキャスト配信してる「Hindi: A Spoken Thesaurus」では、スネル氏本人が共演の女性ネイティヴ話者に次々と質問していく形式で、各回特定のテーマに沿った一連の語彙の用法や細かいニュアンスの違いについて説明してくれており、基礎語彙の理解にけっこー役立ちそうな内容となってはおります。
しかしながら、いかんせん会話が全てヒンディー語で行われる上にわりと自然な速度で交わされるため、どちらかというと、一通り基礎的な文法を理解し、耳で聴く分にも慣れてきたが、いざ何かを言おうとする段になって「なかなか丁度良い語彙が出てこない」、もしくは「用法や細かいニュアンスの違いが掴めず、ときどき不自然な言葉遣いになってしまう」ような段階の学習者が念頭に置かれているのでしょうか。少なくとも、扱われている語彙から一見して想像される単純さとは裏腹に、あまり初学者向けとは言えなさそうな内容です。

その他では、動画ファイルを用いた「Hamaarii Bolii」というコンテンツがわりと興味深かったです。カメラの前で様々なネイティヴ話者が一人ずつ登場し、いくつか文法トピックについて説明したり、電話や初対面の自己紹介など日常生活で用いられる具体的な言い回しについて時に演技をまじえながら教えてくれてます。講師など関係者以外にも、インド在住の一般人の、地域や年齢・性別、社会背景などの面である程度の多様性を組み込んだネイティヴ話者が揃えられており、それぞれがこれまでの人生を通じて体得・理解してきた言語規範に照らし合わせつつ思いつくままに回答してくれてます。もちろん、「普通は・・・・と言う、~~とは言わない」といった回答にとどまることも多く、必ずしも(学習者にとって有り難い)深く込み入った説明をしてくれるわけでもなく、また大して目新しくもない話のほうが圧倒的に多かったのですが、それでもいくつか特筆すべきことも。
たとえば「アープ・・・ホー」についてのトピックでは、標準文法の範疇からは決して正しいと言えないない「誤用」がネイティヴ話者の間で多く散見される理由について何人かが説明しています。多くがヒンディー語内部での地域偏差や近隣言語(とくにパンジャービー語)の影響を指摘してますが、さらにそれを踏まえたうえで、あえて「間違える」ことにより特別なニュアンスを付加する場合など(なんだか無駄に?)細かい点まで教えてくれてたり(これ)。あと、「ナマステー/ナマスカールの違い」のトピックも興味深かったです(とくにこれとか)。
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by ek-japani | 2009-12-22 15:10 | 言語
今度はテランガーナ州???
 なにやらアーンドラ・プラデーシュ州が分割されるらしいですな。
" India to create new southern state of Telengana " (BBC)
 The Indian government is to allow a new state to be carved out of part of the southern state of Andhra Pradesh.

 州都ハイダラーバードを含む、現在のアーンドラ・プラデーシュ州内陸部の広大な領域を占めるテランガーナ తెలంగాణ 地方が、同名を冠したインドの29番目の州として新たに設立されるとのこと。昨夜の中央政府閣議後にチダンバラム内務大臣によって発表されたばかりの段階で、まだ州議会での協議など具体的な法的手続きはこれからとのことですが、それはどちらかというと形式的なものらしく、分割されること自体はどうやらほぼ決定とみて間違いなさそうです。しかしながら、すでに100人以上もの反対派議員が州議会に辞表を出したり、州内各地で反対派デモやストライキが行われるなど、まだまだ分割に向けて政治的波乱は続きそうですが・・・。

 そもそもインド独立前後の時期には、内陸部がニザーム藩王国、沿岸部や南部(ラーヤラスィーマ రాయలసీమ 地方)がマドラス管区にそれぞれ属していたが、前者が1948年にインド連邦政府により武力併合され、後者も1953年にテルグ語話者人口の多い地域がアーンドラ州として分割されたため、そこからさらに両地域がテルグ語の「言語州」として1956年に併合され成立したのが現在のアーンドラ・プラデーシュ州。この当初から独自の州を求める動きは続いてきたそうですが、はたして今さら分離する利点があるのかどうか、傍から見る限りでは今のところ全く不明ですが。
 上記の歴史的成立過程などに起因する、同じテルグ語圏内部でのさらに細分化された地域的・文化的アイデンティティが分離要求の根幹にあるようですが、そのような理由に基づくなら、むしろ継続して州都となるハイダラーバード周辺と、テランガーナ地域内の他の区域との間の言語的・文化的な差異はどう折り合いをつけるのか気になります。たとえば、あくまで観念的な憶測に過ぎませんが、ハイダラーバードの旧市街に住むウルドゥー語話者のムスリム住民だったら、「テランガーナ」という領域よりも、かつて同じ旧ニザーム藩王国領土だったマハーラーシュトラ州やカルナータカ州の一部に点在する他のウルドゥー語話者地域との結びつきのほうがいろいろな意味から強そうな気もするのですが。
 また、それよりもむしろ現実的なところでは、域内経済格差が依然として問題になりそうな気も。もともと沿岸部に対する内陸部の開発の遅れが独立要求の理由の一つに挙げられているようですが、結局分離しても、近年ハイテク産業の基盤都市として大きく繁栄している州都ハイダラーバードに対して、毎年の降水量不足による干魃・不作、農民の間での借金苦による自殺件数の増加、ナクサライトの反政府活動の活発化による治安悪化など、様々な面から困難な状況にある農村部という、二極化した構図はあんまり変わらないのでは。

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 とはいえそんなことより、デリーのアーンドラ・プラデーシュ・バヴァン、というかその中のカンティーンがどうなるのか気になりますが・・・。「テランガーナ・バヴァン」に名称が変わるなり食堂も分割とかされるなりするとしても、あまり変わらないといいんですが。
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by ek-japani | 2009-12-12 01:31 | ニュースより