月曜日にコンビニでこんなのを発見した・・・。
日本で97年夏に渋谷のシネマライズで公開(高校生の時見に行ったら、すんごく館内混んでて床で座って見た記憶が・・・)され、大ヒットを飛ばしたタミル語映画『Muthu முத்து』;邦題『ムトゥ 踊るマハラジャ』。 この映画とのコラボレーションという事もあってパッケージもこんならしい。 やはりあれが日本人に残したインパクトはまだまだ大きいのか、こんなお菓子にまでなるとは・・・。 割と1袋が小さ目のパッケージなのもあって、値段を見ると100円くらいで買える。 ふと気が付くとレジまで持っていっていた・・・。 ※あとで調べたらその日に販売開始したばかりの新商品だったらしい。 真ん中の写真もさることながら、袋の上下の端には最近よく見かける、デーヴァナーガリー देवनागरी 文字風にシローレーカー शिरोरेखा 付きのフォントで“GARAM MASALA”と書いてある。 裏面に記載されている原材料表示を見ると、長々と本当にたくさんの香辛料類が記載されている。 (以下の商品概要は東ハトのHPより) 最初は記載されている香辛料の種類(別のとこには42種類とある。)に圧倒されるけど、よくよく名前を見るとインド料理ではあまりお目にかからないようなスパイス(タイム、マジョラム、オレガノ、バジル、ローズマリーなど)もちらほらと。 食べてみるとなかなか後を引く味で、唐辛子 मिर्च の鋭い辛さではなくクミン ज़ीरा やコリアンダー धनिया 、胡椒 काली मिर्च とかの辛さがバランス良く漂っている。(あんまり好きな言い方でもないけど、こういうの好きな人が「スパイシー」とか「マサラ風味」と形容しそうな感じの味。)ビールのつまみとかにいいかも。 既にしばらくハマりそうな気配である・・・。 (普段はスナック菓子なんてあまり食べないんだが・・・。) でも・・・気になるのが上に抜粋した商品原料のリスト中、傍線をつけた“ポークペースト”と“チキンパウダー”の記述。 まぁ純粋不殺生ヴェジ शुद्ध शाकाहारी 仕様ではない(“オニオンパウダー”と“ガーリック”など根菜が含まれている)のはこの際しょうがないとしても、せっかく植物油を使っているのだから完全にヴェジ仕様を目指したらもっと面白かっただろうに。(最低限“ビーフペースト”とかじゃないくらいの配慮はしてあるのだろうが。) 特に“ポークペースト”はちょっと・・・、具体的にどんなモノなのか判らないが豚なのは明らかだろう。菜食だろうがハラールだろうが、異国の地でもきちっと守る人はしっかり気にして避けるし、そうでもない人は最悪知らなかったふりして気にせず食べてしまうのかも知れんけど・・・、日本在住の南アジア系の人(特にムスリム)がもしも間違って買ってしまい、さらには苦情が来たりとかの事態は起こらんでしょうか。 それとも商品の包装も味付けも在住南アジア系の人々には全然アピールせず、みんなハラール食品店で売ってる“BIKAJI”のナムキーン नमकीन نمکین (写真;右→)とかの方がやはり口に合うからと、まったく誰も買わんだろうか・・・。 しかし卒論を書いた時に担当の先生にも少し指摘された事だったが、日本人の消費者向けに翻訳・解釈され作り出された「エスニック」商品がニセモノで、ハラール食品店で輸入販売され日本に居留している「文化ネイティヴ」によって消費される「エスニック」商品だけがホンモノ、とかいう事を言いたいわけではない。 ただ日本で「エスニック」なイメージを付加価値にして様々な商品が開発・販売されるとしても、実際にその中で「エスニック」とされる地域から日本に在住している人々はその商品のために想定される消費主体から排除され、一方的なイメージだけが日本人の購買層によって消費されている現状がある。(もちろん日本だけに限った話ではないが。) 所詮は日本に滞在する「外国人」が最近増えているといっても、依然として労働力としてのみ見られているだけで、消費の主体としてはまだまだ日本の経済からは認識されていないのだろう。 ※最近こういう本を読んでいるので、こんなことを考えてみたわけで・・・。 『Shopping for Identity』 Marilyn Halter 著 移民の消費動態を出身コミュニティー別に調査するマーケティングがアメリカでは本格的に’70代頃から盛んに行われているらしい。 日本もそういう時代がくるのだろうか・・・。 こういう商品が出るのは個人的にインド・マニア心がくすぐられるようで楽しいのだが、同時に少しさめた感じで見ると、あまりにコテコテな、一般の日本人がイメージするような「これぞインド~!!」というのモノが商品化され、イメージが再生産される事に対してあれこれ考えてしまう。(この商品みたく確信犯的に「面白ければまぁ多少の誇張は許して」みたいな雰囲気でも、何か気になってしまう・・・。) ・・・とはいえ、この夏のインド・マニアな人々の話題をさらう事間違いなし、と勝手に断言。 この記事を読み終わったら即コンビニへ行き、脇目も振らずにスナックの棚を確認だ!! #
by ek-japani
| 2005-07-14 07:25
| 食
昨日はアラビア語マニアの友人と一緒に、《国際ブックフェア2005》の会場まで本を買いあさりに行ってきた・・・。
今年も一番目当てのインドのブースはSTAR PUBLICATIONS (PVT) LTD.が出展していた。狭いスペースに本が展示されている棚の前を長々と占領し、我ながら迷惑な客だなぁと思いながらも、しっかり隅から隅まで漁りまわった。 ぱっと見た感じでは一昨年の国際ブックフェアの時よりも、扱ってる書籍の数・内容ともに充実していた。インドマニアから一般的な読書愛好家までの幅広い層の一般来場者が本を物色しに来るのだろうが、様々な来場者の関心に対して毎年の需要を元に計算された緻密な品揃えで今回のイベントに臨んでいる印象を受けた。 出展元はオールド・デリーでHindi Book Center を経営してる程なので、ヒンディー&ウルドゥーなどの書籍もたくさん出版しているのだが、やはり日本人の読者向けに展示販売していた7割位は英語書籍だった。だけど自社出版物に限定せずPenguin Book India など他社出版の本もいろいろ置いてあって、なかなか本マニアの心と財布にアピールしている。特に最近のブームを見越してか、スピリチュアル&ヨーガ योग 関連の書籍がかな~り多数占めてた。もちろん全体のあと残り3割では、ヒンディー語やウルドゥー語、サンスクリット語をはじめ色々な言葉の辞書や児童書(英語&ヒンディー)とかも毎年のマニア需要のためにマニア書籍を用意してくれていた。 ちなみに今回購入したのは・・・ ・『Parineeta परिणीता』 :最近封切られた映画の原作小説(ベンガル語)の英語訳 ・『The Sufi Shrine of AJMER』 :有名な聖者廟について英語での概説本 ・『ウルドゥー語‐ヒンディー語辞書』 :全部デーヴァナーガリー表記 ・『英語‐クルド語&クルド語‐英語辞書』 :クルド語はアラビア・ペルシア文字表記 計4冊で占めて¥4800だった。 自分の予想ではRs.○○○を見て計算してたので、最初ちょっとエッ!と思った。 しかしよく考えると、日本で販売するためには渡航費・宿泊費・食費や書籍の搬送費など諸経費がけっこー掛かってるんだろうし、まぁ~妥当なのかなとも。 (あとで購入した本のいくつかイギリスとかでの販売価格も見たら、普通に日本と変わらん位みたいだし。) たまにインドズレした人とかが陥りやすい何でも値引き交渉癖やボッタクラレ疑心暗鬼のまま、やたらディスカウントを粘る一部来場者の対策なんだろうか、ブースの隅には既に「40% ディスカウント」と書いた張り紙も。(でもたしかにディスカウント前の販売元値が謎ではあるんだけど・・・。) ・・・次に訪れたのが隣にあった大使館出展のパーキスターンのブース。書籍の数は全然隣に比べ少ないながらも、けっこ~棚には大きめサイズの写真集とかがたくさん。 しかし何やら会場にいたペシャーワル پشاور 出身パシュトゥーン人 پٹھان の某ハーン خان 大使館員さんはたいそ~ヒマそうに。 写真集を見てる最中に隣でやたら話しかけてきたり、突然映画の替え歌(?)で “ピャ~レ~ ピャ~レ~ ジャーパーニー... / प्यारे प्यारे जापानी... / ...پیارے پیارے جاپانی♪ (愛しの 愛しの 日本人~...)” と日本好きをアピールされたり、ちょっと水飲んでくるから場所を見ててくれと言い残し本当に数分間消えたり・・・。面白いと言えばそうなんだが・・・何かアレな感じも・・・。 しばらくしてこのブースでは販売無し(置いてある風景写真集などは展示のみ)というのが判明して、やはりというか何ともビックリ&残念。 (展示用に置いてあった中では、中国の水墨画家がパーキスターン国内の風景や人物をモチーフにした画集とかけっこ~売れそうなのに・・・。) 他にも会場にはネパールやバングラーデーシュ、シュリー・ランカーもブースがすぐ近くにあったけど、時間も予算も尽きてしまったので覗く事すらも断念。 (でもイランとエジプトの出展ブースでは1冊づつおもしろそうな本を入手。) ・・・まぁまた来年にでも。 #
by ek-japani
| 2005-07-10 06:21
| 書籍
最近話題になっていた日清食品『CUPNOODLE』の新しいCMを、昨日やっとTVで実際に見ることができた。
昨年より“No Border”をテーマにシリーズで制作されているが、今月15日からは第6作「笑顔編」という事で、イラン(正式にはイラン・イスラーム共和国:جمهوری اسلامی ایران)国内に在住のアフガン افغان 難民の子供たちの笑顔が多数クローズアップされている。 CM自体は子供たちの無垢な笑顔と綺麗な映像で文句のつけようが無いのだが、気になるのがCMの終わり間際で画面左下に小さく表示される 「日本で発売されている商品はハラール食品ではありません」 という注意書きである。 果たしてこれは誰に向けてアナウンスされているモノなのか、という疑問が湧いてくる。 もちろん教義上ハラール حلال かそうでないのか識別しなくてはいけないムスリム مسلم の人々に向けたものであるのは明らかである。 問題はどんな「ムスリム」に対してなのか、という事だ。 特にCMで表示される注意書きが日本語だけ、というのが大きな問題である。 日本人ムスリムの人口は非ムスリムからの改宗者(ムスリムとの結婚を機に、当人の選択によって、など)、ムスリム家庭での子供の誕生など様々な要因でますます増加しているようである。 しかしそのような人々の大多数には、ハラールかそうでないかを識別するのに比較的容易に情報にアクセスできる環境&能力が備わっていると思う。 それは日本語の能力によるところが大きいだろう。 例えば店頭で識別できなければ、その食品を製造している会社に電話やメールで問い合わせるということも可能である。(もちろん情報を提供すべき側の方で、「企業秘密」の面目で食品の原料成分を情報開示しないというケースもよく耳にするが。) それでも日本人ムスリムの人々にとってはまだまだ苦労は多いのだろうけど、現在の日本においておそらくムスリムの多数派であろう外国人ムスリム(ここでは日本国籍取得に関係なく日本語運用能力の面から話を進める)にとってはもう少し苦労が上乗せされるのだろう。 「外国人ムスリム」といっても日本語の能力は滞在期間や日本に来た背景(出稼ぎや留学など)で千差万別であろうが、たとえ会話能力なら問題ない人物でも食品の成分表示を読むとなると日本人なら簡単に判りそうなモノも迷うことが多いかもしれない。 そんな「外国人ムスリム」の人々があのCMを見て、舞台がイランでアフガン難民の子供たちが映っているという事から宣伝している商品もハラールだと誤解する可能性がある、という認識で例の注意書きは加えられたのだと思う。 インドネシアではハラール食品の条件に適うカップヌードルを販売しているらしいので、日本で販売しているカップラーメンもハラールだと誤解してしまう事も十分ありえるかもしれない。 それなら尚更情報を受け取る側への配慮が欠けていると思う。CM制作側にとってコストの問題とか何らかの都合があって多言語表示が難しいせよ、最低限英語で併記くらいしてあってもよさそうな感じである。 “These products sold in Japan are NOT HALAL” ※ついでにヒンディー&ウルドゥーでも “ ये जापान में विक्रीत उत्पादन हलाल नहीं हैं ” なんて事を少し考えてたら会社ではなく商品ブランド自体のHPにおいて、ペルシア語でも併記された以下の注意書きの画像を発見。 “مواد غذایی که در ژاپن به فروش می رسند حلال نیستند” (カタカナ書きすると;マヴァーッデ・ガザーイー・ケ・ダル・ジャーポン・ベ・フォルーシュ・ミー・ラサンド・ハラール・ニースタンド) でも他の部分は全て日本語で表記されているサイトの、しかもわざわざCM制作ノートのとこを開いてからさらに企画意図の5ページ目に表示されて、果たしてこの注意書きを必要とする人に届くのだろうか・・・。(個人的には発見して興味深かったけど。) それにペルシア語なのは舞台がイラン国内だった事に関連するのだろうけど、日本における「外国人ムスリム」に対しての注意書きとしては不十分な気がする。アラビア語とか、日本に在留・居住している話者が比較的多いインドネシア語やベンガル語、ウルドゥー語とかでも注意書きを画像ファイル形式で用意しておけばもっと良いと思う。 な~んて良心的な意見を述べてみたが、ただ自分が多言語併記マニアなだけだったりするので・・・。ひそかに日本で普通に製造・販売した食品に、いつかハラール・マークが何でも付く日を期待、宗教的な面でムスリムの生活が容易な社会になるようにとかの主張とは別の動機で。 (最近駅とかで見かけるハングル&簡体字の案内や、銭湯でたまに壁に貼ってある入浴の際の禁止事項のペルシア語&ウルドゥー語とか、もう~たまりません。) 実はこのブログも単に自分の好みで多言語表記なだけで、別に学術的なこだわりとかは全然無い・・・。 (あ、ちなみにアルファベットで表記する言語にはあまり反応しないので、正確には「多言語」というより「多文字」併記マニアですな・・・。) #
by ek-japani
| 2005-06-30 09:38
| 考察
インドの大手新聞社『Hindustan Times』のサイトで、実は以前からブロードバンド放送で音声&映像ニュースを提供しているのを最近になって発見。
(だけど何だか現在は全く更新してもいない様子、自分が発見したページも2003年12月20日更新のままになってる・・・。) そのなかで発見したのが、ジャールカンド झारखंड 州の工業都市ジャムシェードプル जमशेदपुर (ターター टाटा 財閥の一大拠点、街の名前は財閥の創始者ジャムシェードジー・ターターに由来する。)において、ヒンディー語映画の大女優マードゥリー・ディークシト माधुरी दीक्षित の名前を冠した公園を設立したと報じられた、このスィク सिख のオジサンである。 2003年12月12日配信“Madhuri Baag”(← Real Player で再生)を参照のこと。 ※もしくは①このページの左下《ENTERTAINMENT》欄、一番下の〈more videos〉をクリック → ②“A garden in Madhuri's name in Jamshedpur”をクリック → ③既にページの真ん中に表示されている画面で再生開始 このオジサンを見るのはこれで2回目である。 インドの週刊誌『India Today』 (自分が定期購読してるのはHindi Eddition『इंडिया टुडे』の方、いつもネット書籍販売“書肆なゆた屋”さんに頼んでいる。)に、毎号はじめのとこで“前例無き(最初の)前例 मिसाल - बेमिसाल”という名のコーナーがあるのだが、そこでは毎週インド国内で人知られず地道に、だが他の誰にも出来無さそうな偉業を成している市井の人々が紹介される。 いつもは自然保護や社会福祉に携わってる人が取り上げられる事が多いのだけど、たま~に本当にキワモノというか変わり者の“前例”さんが登場するので、自分は密かにそんな変人さん達が紹介されるのを期待していたりする。 ※ちなみに最近知ったのだが、英語版よりもヒンディー語版の方が売れているらしい。 その“前例無き前例 ”の記事(下の写真↓ ;2004年10月11日号より) 《生きる意味はマードゥリーの名において परमार्थ माधुरी के नाम पर》で、このマードゥリーマニアなオジサンを初めて見た。 http://photos1.blogger.com/blogger/6447/715/1600/IndiaToday Misal-Bemisal MadhuriMania.jpg をコピーして、アドレスバーのURL欄に貼り付けてから移動してください。 街で有名なスナック(मिठाई और चाट)の店を経営するパップー・サルダール पप्पू सरदार (36歳)という人物らしい。 (どうやら写真は自分の店の一角にマードゥリーの写真を飾ってあるスペースのようだ。) この写真での恍惚の表情を見るとイッチャッテルナ~という印象も受けるが、よく考えると単に恥ずかしがってテレているだけなのかも。写真ではマードゥリー・ディークシトの誕生日にプージャー पूजा を捧げているところ、現代版バクティー भक्ति 信仰なんだろうか・・・。 ここまでくると彼の事を形容するのに「ファン」なんて言葉ではもはや生ぬるい、「マニア」すらまだ弱いかも。 (この記事では「ディーワーナー दीवाना」とたたえているが、この場合は映画で使うような軽い「もう夢中!」ってよりか、もっと深刻な響きを感じるのは気のせいだろうか・・・。) でもマードゥリーが子供を出産した時には、ミッショナリー系慈善団体の孤児院で子供たちにミターイーを配ったり玩具や衣服を寄付したりと、けっこ~積極的に社会にも貢献している良心的な人物なようだ。 ちなみにマードゥリーと会えた事は未だないらしい。 本人曰く、いつか向こうから自分に会いにジャムシェードプルへ来た時こそ夢の女神マードゥリーと対面する事がかなうだろう、と。その確率が僅かなのは百も承知だが、決して望みは捨てていないとの事である。 #
by ek-japani
| 2005-06-29 23:13
| ニュースより
|
ग़म को अपने साथ में ले ले
दर्द भी तेरे काम आएगा غم کو اپنے ساتھ میں لے لے درد بھی تیرے کام آئے گا
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